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乳酸菌メセンテロイデス19-5を使用した酒母造りについて

茨城県が開発した乳酸菌メセンテロイデス19-5とは

茨城県が開発した乳酸菌メセンテロイデス19-5とは

 乳酸菌メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)は球型をした乳酸菌の一種で、多種多様な乳酸菌の中から、お酒造りに適している乳酸菌として発見され、のちに「19-5」として命名されました。

 この乳酸菌は、茨城県産業技術イノベーションセンター・飛田農学博士の研究グループが進めていた乳酸菌の研究において発見されたものです。研究で培養されていた120株の乳酸菌のうち1株だけ低温下でも乳酸を生じさせ、且つ清酒酵母を雑菌等による汚染リスクの少ない発酵環境に導くことができる乳酸菌株として発見されたものです。

 


乳酸菌添加酛とは

乳酸菌添加酛とは

 乳酸菌添加酛とは、上記の乳酸菌を使用して酒母を造ることを指しています。

 酒母造りには醸造用乳酸を使用して酒母を造る「速醸系酒母」と、醸造用乳酸を使用せず自然の乳酸菌を利用して酒母を造る「生酛系酒母」があります。

 今回村井醸造で採用したものは醸造用乳酸を使用していないため、生酛系酒母に分類されます。


乳酸菌を利用した酒造りに取り組んだ経緯

乳酸菌を利用した酒造りに取り組んだ経緯

 村井醸造では「安全・安心」な酒造りを標榜しています。この点で、従来の生酛造りは自然の素材を活かすという利点があるものの、この手法では村井醸造で求める「安全・安心」な酒造りを実現することが難しいと考えました。

そのような中で、茨城県産業技術イノベーションセンターにおいて、上記の乳酸菌を発見したことを知るに至り、共同研究を行うことになりました。

経緯についての詳細はこちらをご覧ください。


乳酸菌添加酛の特徴

乳酸菌添加酛の特徴

 乳酸菌添加酛の一番の利点は、弊社が考える「安全・安心」という見地に立った生酛造りができることです。

 従来の生酛造りが自然の乳酸菌を利用するという点で、その乳酸菌の安全性や性質が不明確であるところ、今回の乳酸菌はお酒造りに適している乳酸菌であることが共同研究によって確認することができました。このように、乳酸菌メセンテロイデス19-5を使用した酒造りは、当社の考える酒造りの理念に沿ったものであると考えられます。

 村井醸造では引き続きこの研究を茨城県産業技術イノベーションセンターと協力して行い、この地元の資源を活かした安全・安心でおいしい酒造りを追求してまいります。